家族になろうよ!
厳しい夏と、短い秋と、凍える冬を越えて、また騒がしい春がやってきた。
今日は、優子の入学式だ。
こんなことになるとは思ってもいなかった。
まさか優子が、神世学園の生徒になるとは。
去年の夏休み、四人がそろった夜、優子は俺と同じ学校に行きたいと言い出した。
俺はとにかく驚いて、神世の実態を事細かに説明し、わざわざ自ら進んで苦労をしに行くことはない、と諭したのだが、優子は頑なに意思を変えようとはしなかった。
優子が初めて口にした望みだった。
「大丈夫だ!優子ちゃんの進みたい道に進みなさい!」
神世の学費を二人分払うなんて、家計的には相当厳しいはずなのに、金のことは一切言わなかった親父は立派だと思う。
顔は引きつりまくっていたけれど。
彩花さんは、優子が望むのなら応援したいと、不安そうにではあるが賛成した。
優子は本気だった。
だから、俺は全力でバックアップしていくことを決めた。
神世の入試を突破するために、毎日勉強を見てやり、面接でのコツも教えた。
しかし、難しい受験になるだろうと思ったのも最初のうちだけ。
優子はずば抜けて頭が良かった。
親父や彩花さんの心配などどこ吹く風で、優子は余裕で神世に合格してしまった。
しかも、あの心愛まで一緒に受験し、こちらも合格していた。
まったく人間はどんな能力を隠し持っているのか分からないものだ。