家族になろうよ!
「時間がないから、早く写真撮っちゃおう!」
彩花さんがおんおん泣いている親父の尻を叩いて、カメラを手に取った。
締めたカーテンの前に、優子と俺、親父が並ぶ。
テーブルやら段ボールやらを積み重ねて作った台の上にタイマーをセットしたカメラを置いて、彩花さんが優子の横へ滑りこんだ。
「はい、チーズ!」
かけ声どおりのタイミングでフラッシュが光った。
出来上がってくる写真にはきっと、満面の笑みの彩花さんと、ほんのり微笑む優子と、澄ました俺と、涙でぐしゃぐしゃの親父が写っているんだろう。
「なあ。親父と彩花さんは、いつ籍を入れるんだ?」
自然と、思いが口からこぼれた。
だって、そうだろう?
こんな写真を撮っておいて、今更何を遠慮することがあるんだ。
「斗馬くん……いいの?」
彩花さんが、信じられないと言わんばかりに目を見開いて尋ねてくる。
「私、早く服織女優子になりたい」
とんでもない殺し文句で、優子も二人の背中を押した。
親父と彩花さんは顔を見合わせる。
そして泣き笑いの表情になって。