家族になろうよ!
「どうしたの?今、何か隠さなかった?」
やめろ、心配そうにのぞかないでくれ!
こんな摂取する目的が明らかなネーミングのものを見られたら、格好悪すぎる!
「いや、これは、何でもないから」
体を丸めて必死に隠そうとしたのだが。
「何でもなくないよ。お腹痛いの?……あっ……」
バレた。
終わりだ。
チビがチビを気にしているなんて傑作だろう。
からかわれるのには慣れているはずなのに、早乙女那美が相手だと、そんな場面を想像するだけでなぜだかひどく辛く感じられた。
彼女に笑われるなんて耐えられない。
「服織女くん、それ……」
やめてくれ。
見ないでくれ。
笑わないでくれ……!
「私にも一枚ちょうだい!」
「へ?」
思わず顔を上げる。
早乙女那美は笑ってなどいなかった。
「ダメかな?」
肩の力が抜けていく。
潤んだ瞳に吸いこまれそうになる。
ダメなわけない。
ゆっくりと姿勢を正してウエハースを差し出すと、「ありがとう」と綿あめのような優しい笑顔が返ってきた。