家族になろうよ!
「あ、女子が帰ってきた」
扉が開くと同時に、にわかに騒がしさが流れこんでくる。
「またあとでね」と凌が自分の席へ戻って行ってすぐ、「元気出そうよ」とやけに神妙な声が聞こえてきて、自分のことかと思わず振り返った。
そこには、うつむいた早乙女那美と、それを励ます女子の姿。
「那美ちゃん可愛いんだから。女の子は小さくてもおかしくないって」
「でも、百五十センチもないなんてヤダよ……」
小さい体をますます小さくして気を落としている彼女に、俺の心情がリンクする。
そんなに嫌なのか。
俺と違って落ちこむ必要はないのに。
その女子の言う通り、早乙女那美は『可愛い』のだから。
とぼとぼと席に着く横顔は、留守番を任されて舞踏会に行けないシンデレラのように寂しげで、目が離せない。
すると、視線に感じた彼女がこちらを向いて、目が合った。
「服織女くん……私、全然身長伸びてなかったよ」
「そうなんだ」
「女の子は、この歳になったらもうダメみたい。ほとんどの子が身長止まっちゃってるし」
「え、もう……?」
自分もそうかもしれない可能性に恐怖したが、彼女は首を横に振った。
「男の子は違うよ。ほら、大学生まで成長期が続く人もいるって言うじゃない。今朝も言ったけど、服織女くんはまだまだ希望がいっぱいだよ」
伏せられた目、長いまつげの影が白い頬に落ちて、表情に帯びる憂いが増す。
「男の子が、うらやましいな……」