家族になろうよ!
不謹慎かもしれない。
でも俺は嬉しかった。
初めから彼女は俺のことを馬鹿にしなかった。
予想とは逆の、他の奴らとは違う言葉をくれる。
そして、マスコットなんかじゃなく、俺のことを男として見てくれていると、今知った。
卑屈に構え、彼女を疑った自分が恥ずかしい。
早乙女那美は人を笑ったりしない。
周りに流されず俺と接してくれる。
だったら、そんな彼女に俺は何が言えるだろう。
俺と同じ悩みを抱えた、早乙女那美という人間に。
精一杯彼女のことを思い考えていたら、ふっ、と自然に言葉が浮かんできた。
「そのままで、いいんじゃないかな」
「え?」
「大きくても小さくても、早乙女さんが早乙女さんなら、俺はいいと思う」
深い茶色の瞳が、まばたきを三つ。
「服織女くんって面白いね。哲学者みたい」
「ごめん……」
そのままの気持ちだったが、声に出したら思ったよりややこしかった。
だけど。
「ありがとう。元気出てきたよ」
彼女が笑ってくれた。
それだけで、俺まで笑顔になった。
荒んでいた心が潤ってきたような、背負う荷物が少し軽くなったような。
早乙女那美は、人の気持ちを優しくしてくれる。