「君が噂の……へぇぇ〜…。」

アイビィと名乗った女がオレの全身を興味深そうに見回した。

この時には女の周囲を駆け巡っていた風は綺麗さっぱり無くなっていた。


「てっきり、もっとごつい人かと思ってた!」

驚きが消えないオレに気付かないのか、女は話を続け、苦笑いをした。


男とは対象的に女は久々に会った友人と話すノリで、
狙われてるハズのオレとしては、何だか複雑な気持ちだ。



「おい、お前の相棒とやらは本当に来るのか?」

「え?」


いきなり男が話し出すもんだから、オレはワンテンポ遅れて聞き返した。


「きっと、来る…。」


オレはそう言ったけど、
男に言われる前から、オレも薄々と気になっていた。

この騒ぎでシュウが現れないのはおかしい…。



「え〜!?相棒いるの〜!?」

女が身を乗り出して言った。


「…え?…あ、うん。」


男の次は女か…。

2人で交互に話さないでくれ…。
疲れる…。


多分、本人たちは自覚してないだろうけど…。




するとその時、

「おぉ〜、始まってんな〜!」


「シュウ!」


シュウが(やっと)現れた。


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