鬼
”あなただけを捕らえるために村から出たわけであって、賞金稼ぎというわけじゃないわ”
女が呟くように話した。
だけど、オレは女の話をまともに聞いてる余裕はなかった。
頭が混乱する…。
何でオレは黒い組織にいたんだ。
いや、言わずともオレの中では答えが出ていた。
オレは黒い組織で造られた存在なんだ。
きっと、そうだ。
じゃなきゃ、オレが組織にいる理由が分からない。
頭が痛い…。
組織のことをずっと知りたいと思っていた。
でも現実が受け入れられない。
オレは頭を抱えた。
すると、シュウがオレの頭の上にポンと手を置いた。
「…お前にとっては辛い話だよな…。じいちゃんの仇として追っかけてた奴らが、まさか自分と関わりがあるなんてな…。」
シュウも何て声をかけたらいいのか、言葉を選んで話をしているように思えた。
そのシュウの気持ちが嬉しかった。
「でも、お前はお前だから。」
シュウが頭を軽く撫でた。
顔を上げるとシュウの優しい笑顔があった。