鬼
オレたちはある奴らを捜し、倒す為に旅をしている。
そのある奴らというのは、
あの日…じいちゃんを殺した…
あの黒い集団…。
あの日も雨が降っていたことを覚えている。
オレとシュウはその酷い現実を受け止められず、
泣いた…。
降り続ける雨に負けないくらい
沢山泣いたんだ…。
じいちゃんはとても強かった。
町外れに道場を構え、そこで弟子をとり、武術を教えていた。
その実力は天下一(オレとシュウはそう思っている)で、ある有名な貴族の護衛をしてくれと依頼が来たこともあった。
中には殺し屋まがいの依頼があることも……。
しかし、じいちゃんは絶対に人を殺したりしなかった。
”人は皆、平等だ。
この世に生を受けた同じ命を、神でもない自分が奪うことは出来ない。”
じいちゃんがよく言っていた言葉だ。
そんな優しく、強かったじいちゃんを
殺した黒い集団……。
オレたちは絶対に許さない。