シェリの旅路
こんな事ができるのは

魔法を扱える者、魔法使いか

魔術師だろう。


けれど、魔法使いは

国家資格を持ち

国に忠誠を誓っているから

混乱を招くような事は

しないはず。


では、魔術師の仕業か……。


しかし、話に聞いた事しかない

魔法を扱える者を探すのは

困難だ。


それにこの世界の人口

約4万人のうち

魔法使いと魔術師は

15年前の戦争で激減し

約200人。


ダビデズアイシティに

魔法使いがいるとは

聞いた事がない。


魔法には魔法で対抗するのが

一番だが、協力してくれる

魔法使いは

生きているのだろうか。



僕は馬具を取り付け

愛馬コーエンに跨がった。



……どうして僕は無事なんだ?

人間が石になってしまったのは

僕の国だけの事なのか?

それとも世界中?



色々な不安や恐怖に

包まれながら

僕は駆け出す。


〝自分の国だけでなく

世界の人々の力となって

ほしいのです〟


5年前の母上の遺言が

胸に響きます。


―母上、僕はこれから

どうしたらいいんですか?


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