シェリの旅路
あたしはバイオリニスト。


幼い頃から何度も賞をもらって

今では国が誇る若き天才

バイオリニストになった。


あたしが特別なのには

理由がある。


ピアニストのパパと

ソプラノ歌手のママ。


そんな二人の間に生まれた

あたしは当然音感が優れていた。


パパはあたしをピアニストに

ママはあたしをソプラノ歌手に

するのが夢だったみたいだけど

幼少時代のあたしは

〝絶対バイオリニスト!〟

〝パパとママが知らない世界を

あたしの力で楽しむの〟

と言い張って3才から始めた

バイオリン。


音楽の才能やセンスは

遺伝だって認めるわ。


でも、バイオリンの腕は

あたしだけのもの。


バイオリンを弾かない日なんて

1日もないわ!


昔から強い意志を

持っていたから

今のあたしがある。


日々の積み重ねの結果

今では各国の城や演奏会に

招待されるようになった。


―あたしは若く美しい

天才バイオリニスト。

誰にもこの地位は譲らない。

だって、あたしが一人で

築いた地位よ?


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