シェリの旅路
『ジオは石にならないかも』

キミは一番近くの

石像のもとへ行き

肩にちょこんと腰かけて言う。

「どこにそんな保証が

あるんだよ!」


ジオは石にならないキミが

何の根拠もなく勝手なことを

言えるのが妬ましかった。


『だってこの石像

冷たいもん。

石になったばっかり

じゃないかな』


「石は冷たいもんだろ!

いい加減な事言うなよ。

石にならないお前とは違って

……オレは恐いんだから」


ジオはうつむいた。


『男のくせに弱気ね!

今日は晴天。

太陽は真上をすぎてるし

今が一番気温も高いんだよ?

なんで石像が冷たいの?』


キミはジオに一発ガツンと

言って、地面に落ちていた

小石を拾ってジオに渡した。


(……ちょっと熱い)


『次は石像を触って』


ジオはキミに言われた通り

石像に触れる。


(……冷たい。石像になって

時間がたってないのか?)

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