シェリの旅路
ジオは乳しぼりをしながら

考えていた。


一人になっていつも考える事は

昔の恋人の事。


だが、今日は少し違った。


―なぁ、ミル。

オレ、今でもお前だけを

愛してるよ。でも、もうお前の

ところには戻れない。

苦しくて辛い。死にたくても

死ぬのが恐くて死ねないんだ。

ずっと後悔して生きてくよ。

お前の幻影だけを追い求めて。

―オレ、今妖精と

旅してるんだ。

お前が大好きな妖精。

本当にいたんだ。その妖精は

好みも考え方も

お前に少し似てて

幼かった頃のお前みたいで

可愛いんだ。

その妖精と話してると

心が安らぐよ。

お前と一緒にいるみたいで。


―その妖精にお前を

重ねるんだ。そしたら少しだけ

この苦しみから解放される。

妖精は恋をしない限り消えない。

今まで付き合った誰よりも

ずっと側にいてくれるはずだ。


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