Liberty〜天使の微笑み


「そっか、もう二週間しかないもんね。――ってか、まだ色のせてないじゃん! 間に合うの?」

「はははっ……たぶん」

「たぶんって……もう、根つめ過ぎ。よし、今週は遊ぶわよ!」

「? 遊ぶって」

「海とさくちゃん誘って、美術展でも行こう。刺激になるかもしれないでしょ?」


 ね! と言って、美緒はやさしい笑顔を見せた。

 学校以外で行くことなんて……どれぐらいぶりだろう。

 そういえば、付き合い始めの時に一回。あれが、最初で最後だったような。

 カレもそういうのには興味があり、私が描いた絵を気に入ってくれたことが、付き合うきっかけだった。――それなのに。

 絵についても、話すことなくなっちゃったんだよね。


「で、土曜は都合いい?」

「カレに、聞いてみないと」


 いくら返事がこないからと言って、何も言わないまま行くのは気が引けちゃう。

 携帯を手にし、カレへメールを送った。

 まぁ、返事が来るかはわからないんだけど。


「こっちはよし、っと。海は大丈夫だって。あとはさくちゃんねぇ~」


 美緒は美緒で、他の二人に連絡を取っていた。

 せっかくだし、すごく行きたいけど……それは、カレの返事次第だった。


「さくちゃんもOKみたい。あとは紅葉のみ!」

「たぶん、今日中には返事ができると思うから」


 まぁ、可能性は低いだろうけどね。

 今すぐにはわからないからそう答えたんだけど――ふと、携帯のライトが青く点滅しているのが目に入った。

 この色、純さんだ!

 すぐさま開ければ、そこには「誰と行くんだ?」と短いメールが。今まで来なかっただけあって、それだけでもうれしくてしょうがなかった。

 行くのは友だちの美緒とその彼氏。そして橘くんも入れた四人だと伝えると、これもすぐに返事が来た。
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