愛してるんだよ。
「お母さんが無理言ってごめんなさい…」



手をつないで帰る道のりで、莉紅ちゃんがポツリと謝った



『莉紅ちゃんが謝る必要ないよ。それに、いつも一人で少し寂しいし、ご飯も一人じゃあんまり美味しくないし。莉紅ちゃんが来てくれると嬉しいよ』



人と食事するのが嫌いな癖に




一人で食べるご飯が、あんなに味気ないものだなんて知らなかった



カズがずっと傍に居て、それが当たり前で



でも、その当たり前はすごく幸せだと



居なくなってやっと分かった



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