幸せの滑走路



彼は提案するように私に言った。プレイボーイと言われている彼が本当は違うんじゃないかと思った。
でもプレイボーイだからこんなことができるのかもしれないとも思う。



あれこれ頭の中で考えていると彼はどうかしたのと心配そうに問い掛けた。私は慌てて口を開いた。



「あっ、ごめん。考え事してて....でもなんで急に私のことを気に掛けてくれるの?」



私はしまったと思った。あまりにも直球過ぎる。私は慌てて弁解しようとすると


「クラスメイトだし、いつも悲しそうな顔してるからさ。話し掛けづらいのかなって。大きなお世話だったよな..まぢでごめん。」



私は悲しくなった。理由の一つはこんなに私が顔にでやすいのかと言うこと。


そしてこんなに私が気に掛けられていたこと。


彼が私のことを見てくれていたこと。


そして彼の誘いにすぐ頷けなかったこと。


つい私は俯いてしまう。恥ずかしさと罪悪感でいっぱいになった。




「変なの。昨日は淋しい人だねって言ったくせに。」
可愛げが無い発言をしてしまう私がつくづく嫌になった。





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