キミノトナリ


「藍川?」


振り向くと、いかにも部活帰りの桜井くん。



「あれ?桜井くん、部活は?」



「今日は先生たちが会議らしいから……」



「そっか、」



なぜだろう、桜井くんとは話が続かない。私が人見知りっていう理由もあるけど、桜井くんも人見知りなのかな?




「買い物?」


「うん、夕飯」



「もつ………」


「いや、重いから!大丈夫だよ」



桜井くんにエコバックを奪われてしまった。




「ありがとう、」



いまおもえば、桜井くんの家って目の前だっけ。




「もう、夏だね」


「夏は暑い……」



「暑いの嫌い?」



「キライ。やっぱり、秋がいいよな」



「うん!秋はいいよね」



「……なれたか?」



「え?」



「俺に」



「…………」



「俺が怖かったんだろ?」



「違うよ……、怖くなんかないよ。」



「そっか」



「うん……、桜井くんに迷惑かけちゃったみたいだね。ごめんね」



「迷惑なんかじゃない……けど、陸。」



「え?」



「桜井くん……じゃくて、陸。」



「陸?」



「……みよ」




何か不思議なかんじ。



「急にどうしたの?」



「…なんとなく。」



「そっか、なんかいいね、名前呼び。より友達になれた感じがするよ」



「なら、よかった。」




不思議、"みよ"なんて、海と武とお兄ちゃん以外の男の子に呼ばれたのは初めて。



話してたら、あっという間に家だった。




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