【続編】長男のカゴ
悪夢が現実に…
【善】



将来って、まじめに考えるとよく見えないもんだ。



5年後、10年後、こうあって欲しいという願望はあっても自分がどうなってるかわからない。



初めて不安を感じた。



でもやるだけのことはやりてぇし。



頑張ろうと心に決めて矢を放つ。



「「ステキ~!!」」

「ど真ん中!!お疲れさまです~!!」

「藤間様、お飲物です!!」

「タオルどうぞ!!」



いや、1本しか打ってねぇから…。



疲れもしてねぇし喉も渇いてねぇし汗もかいてねぇ…。



苦笑いで拒否。



「藤間様の好きなものってなんですか?」

「好きなもの…?」

「はい、好きなものです」

「…………女?」

「クラクラしちゃう…」

「いや、今は怜」

「チッ…」



どうやら周りは俺と怜の交際を認めてないらしい。



怜いわく、怜が貧乏な家庭の子だからだと言っていた。



「庶民にも分け隔てない藤間様がステキ」

「そうですわよね~」



はいはい、うるせぇよ…。



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