【続編】長男のカゴ
言うべきか言わざるべきか。



笑ってごまかしとこう。



あんまり知られたくないのも事実だからな。



「どうする?双子の部屋に寝るか?」

「あたしらの部屋、寝る場所なんてないよ」

「は!?なんで…?」

「厘と美衣の子ども部屋からグランドピアノ運んだ」



じゃあ俺の部屋か。



別にいいけど。



「んなぁ!?善と…同じ部屋…?」

「俺の部屋こっち~」

「ちょっ、あたし…善と寝るの?」

「まぁまず荷物置けって」



久しぶりに向かった自分の部屋。



何も変わってないことにホッとした。



「善の部屋広っ…。なに、この賞状の山…」

「全部空手の」

「うわぁ~…実力は本物なんだね…」

「リビングにトロフィーあったろ?あれ、ほぼ俺の」

「マジで!?本当に凄いんだね…」



空手ならな。



世界に行けとも言われたけど…なんとなくやめちまった。



「あっ、俺チビと寝るから部屋使えよ」

「いいの!?」

「怜とはちゃんと友達だしな~」

「なに、そのちゃんとって…」



怜とは友達だし…。



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