今度はあなたからプロポーズして
二人がウッドベリーの近くの
公園に差し掛かった時だった。
穏やかな休日を切り裂くように、
恭一の携帯電話の着信音が突然鳴り響いた。
「あ…、会社からだ」
即座に反応した恭一の表情は、
嬉々としている様にも感じ取れた。
(またか…)
この後の展開を想定できたのか
留美は不信感を露にした。
留美の心境を知ってか知らずか
慣れた手つきで携帯を取り出すと
「はい、香川です………
はい、え~…、
え~~、はい…え~……
はい!わかりました。
すぐに行けますよ。」
と恭一は留美に伝えることもなく
いとも簡単に承諾している。
(はぁ!?)
(すぐに行ける??)
途端、
留美の表情から笑顔が消えた。