今度はあなたからプロポーズして
「明日は明日っ
そんなの当然でしょ。
それに、そうやっていつまでも
上司が助けていたんじゃ、
新人君だって
成長しないんじゃないの?」
もっともな留美の言葉に、
苦し紛れに恭一が言い訳を返す。
「だけど、大崎部長には
今すぐ行くって、
もう言っちゃったし…
たしかに約束はしたけれども、
緊急の用事なんだから、
しょうがないじゃないか。
用事が済めばすぐに戻るし、
………な、わかってくれよ」
注目しだした周囲に焦りながら、
恭一は宥めようと留美の肩を掴んだ。
勿論、留美だって周りが
気にならないわけではない。
だが
簡単に引き下がろうとはしない留美には
周囲を気にするその態度すらも
気に入らなかったらしく
掴まれた手を振りほどくと
恭一を責める声は
静まるどころか逆に加速した。