その音色はどこまでも美しく
後悔後先考えず
授業終了のチャイムと同時に、席を立ち廊下に走り抜ける。

教室から出る時、後ろから「待て」という怒声とともに、椅子が倒れる音が聞こえた。

どうやら俺を追いかけてくる気のようだ。

待てと言われて待つ馬鹿はいません、と。

構わず全力で走り続ける

教室からちらほらと出てくる生徒を避けながら、少しだけ後ろを見る。

やっぱり来たか。

生徒を鋭い身のこなしで避けながら、俺を捕まえようと必死の形相で追ってくる姿を確認した。

やばい、めっちゃ怒ってるじゃん。

捕まったら明日の朝日は拝めないかもしれない。

とりあえず、保健室に逃げ込もう。

保健室は一階にあるため、二階分の階段を下りて行かなければならない。
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