その音色はどこまでも美しく
階段を一段飛ばしで駆け下る。

何度か足を踏み外しそうになるが気合いで持ち直し無事に一階まで到達した。

あいつはスカートだからここまで早くは下りられないだろう。

そう思った時だった。

だぁん、と渇いた音が上の階から響いてくる。

思わず足を止め、上を見る。

……何の音だ?


徐々に近付いてくる音。

その答えは直ぐにわかった。

俺のいるすぐ上の階段の踊り場に人影が降ってきた。

スカートを翻しながら、あの音と共に。


「追いついたっ」

そいつはにやりと不適に笑った。
< 2 / 18 >

この作品をシェア

pagetop