愛LOVE…
しかも、レモンの味って何よ。

今時、キスがレモン味だなんて信じてる人間が世の中にいた事が、しかもそれがあたしの彼氏になる人間だという事が驚きだ。
そして同時に悲しい。

直哉は真性のアホだ。アホすぎる。痛感する。

「でも何かドキドキしたぞ。そうだ、今からレモン味のキャンディ買ってきてもっかいキスしようぜ!そしたらレモン味だ」

――どんだけレモン味にこだわってんだこいつは。

「キス禁止!!」

「えー!?何でだよ。加奈の唇、柔らかくてちょっと気持ちよかったのに!!」

「あ、あんたは何でそう恥ずかしいセリフ次々に言えんのよ!?」

まったく、聞いているこっちが恥ずかしい。

「そんなのダメだい。せっかくコイビト同士なんだからキスくらいいいじゃん」

「キスくらいって言い方やめなさいよ。軽く聞こえるじゃない」
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