社長の溺愛
「具合はどうなんだ……?」
彩加と幸弘がリビングに行っている間に寝室に滑り込む
ベッドに腰掛けた翼にそう問いかければ、なんとも興味無さげに返答が帰ってくる
「………普通…」
「……………」
いつの間にこんなにグレたんだようちの仔猫は
「熱は」
「…………普通」
「…………」
「…………」
「昨日はなんで歩いて帰った?」
「………普通」
普通、普通って…
最後のなんかは最早、返答になってるのかもわからない
相当な具合に機嫌が悪いのか、もしくは返答を考えるのも億劫なほど気分が悪いのか
ここは後者であることを祈るが……