部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

佐紀の体力の消耗は、
気力をも、奪って行った。

ふと、

  “このまま、負けてしまうのかな”


そう思ってしまった。

そして、弱気になった時、
佐紀の心に、隙が生じた。

佐紀の耳に、OGたちの声が聞こえて来る。


  “みんなのために、勝たなきゃ”


そう思った時、佐紀の心に開いた隙間から、
“勝ち負けの悪魔”が、顔をのぞかせた。


  “勝ちたい。

   勝って早く、この辛さから逃れたい”


佐紀は、切にそう願った。



今まで佐紀は、“勝つこと”ではなく、
得点を重ね、失点を防ぐ事に、
全力を上げ、やって来た。

それが“勝ち”につながると、
信じていたからだ。

しかし今、“勝ち負けの悪魔”は、
佐紀を、“勝つこと”に、固執させた。

そして、“あと少しで、インターハイの
切符が手に入る”という事が、
さらにそれを、大きくした。

佐紀は、考える事を止め、ただ闇雲に、
“勝つこと”だけを、目指した。


それは、“コートの魔物”の、
高笑いでもあった


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