部活~ウチらバスケ部~高校編      ファイナル

残分5を過ぎたあたりから、佐紀の様子が、
さらにおかしくなってきた。

なぜか、皆とリズムが、合わないのである。

それが、パスミスとなり、速攻されて、
さらに、点差が詰まって来た。

すると、それがまた、焦りとなり、
無理な3ポイントを打って、
リバウンドを取られ、速攻に持ち込まれた。


明らかに、空回りをしている状態である。

他のメンバーも、それに引きずられて、
リズムを、崩していた。

そして、あと3分余りを残したところで、
とうとう、追いつかれてしまった。



三田は、タイムアウトを取った。

ベンチに帰りながら、佐紀は、友理に、


  「何で、パスを取れないの?」


と、友理を、責めていた。


  「ゴメン」


友理は、小さな声で言った。

すると今度は、雅美に、


  「イージィ、落とさないでよ」


と、あからさまに、文句を言って、
睨みつけた。


それを見た三田は、


  “マズいっ!”


と思った。

明らかに佐紀は、自分を見失っている。

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