キミ色
「…空羽?…空羽…何か言えって…」



おい…、何か反応しろよ…
空羽っ…




消えそうな俺の声が洗面所に響く。
そして、空羽を抱えている手が支えている身体が序々に震えてきた。



何で震えるんだよ…
落ち着け、落ち着かないと…



そう自分に訴えかけても、想いとは裏腹に震えは増していく。
俺の震えと共に揺れる空羽。



ぐっと腕に力を入れる。
まるで、願いを込めるように…



目開けてよ…
空羽…空羽っ…



何とかしなきゃ…、ダメだ。
何か…何かっ…



咄嗟にずぶ濡れのポケットの中から、携帯を取り出す。



病院だ…
俺は無力でも医者ならきっと…



そう想い慌てて開けると、画面は光を放たず真っ暗だった。




…何でだよ、こんな重要な時に、、、




苛立つ感情は手の震えを手伝い、小刻みに震える手で仕方なく電源ボタンを押した。



…早く、早くっ…
早く点け…




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