キミ色
目の前にある窓から雨が少しずつ止んでいってるのが見える。
もう雷も止んでいた。



「櫂こそ意外だよ!」


「ん?」


「バイトなんてしてたんだ?」



少し笑いながらそう言う空羽。



なんか空羽に笑われるとムッとする。
別にバイトなんて高校生がやってておかしいことじゃないだろ。



「普通だろ、バイトぐらい。」



「何のバイトなの?」



「小さなカフェ。」



「カフェかぁー。でも、なんか接客とか櫂がしてんの想像つかないね。」



そう言ってまた悪戯そうに笑みを浮かべる空羽。



「馬鹿にすんなよ。これでも去年もやってたから、結構慣れてるし。」



「まさかそんな、馬鹿になんかしてないよ。
…でも、何でバイト?そんなにお金困ってるの?」



「実家帰るための資金。」



そういえば、空羽は実家帰んないのかな。
でも、流石に夏休みぐらいは…




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