彼女は男の娘?!
思わず 大丈夫 と言ってしまった。



ホントは大丈夫じゃないけど…



「これで涙を拭いて?」



差し出されたハンカチを受け取り、



涙を拭きとると視界がはっきりして



目の前にいる人の姿が分かった。



背中まで伸ばし夕日に照らされた茶色い髪



背丈は私とほとんど変わらないくらいなのに、



とても大人な雰囲気が漂っていた。



「すみません…なんか」



「気にしないで」



その人は私に微笑んでくれた。



「どうして泣いてるの?」


「えっ…」


おもぬ質問に心臓が どくん と跳ねた。


「家出?」


「ちっ違います!!ただ…ここに来たくて…」


話さないつもりだったのに


なぜか話してしまっていた。


「なんで?」


「実は…第一希望が柊女なんです…


< 11 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop