運命に導かれて


今日帰ってくることは予定されていたし、ジャンから聞いたから確実だ。



ただその時間は知らされていない為


既に早朝から羽衣は落ち着かない。



「クスクス。羽衣様。待ちきれませんか?」



アリーに容易に見透かされてしまう程に浮き足立ってしまったことに羽衣は急に恥ずかしくなる。


「アリーはすぐからかうんだからっ。」


「これはこれは失礼しました。」



羽衣がわざとらしくプンっと膨れてみせれば


アリーも恭しく頭を下げる。



そんないつもと変わらない日常が殊更楽しく感じられる羽衣だった。











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