heart to heart +love☆
耳元でやさしい声がした。

くすぐったい。


「柚希、いいニオイすんね?」

「お風呂上がりたてだもん」

「だからホカホカしてんのか」


そういって笑いながら、私の髪をクシャクシャと乱暴に撫でた。

お構いなしに律にギューしたまま。


「コラ、はなれなさい」

「んーもうちょっと」

「えぇー?」


ちょっと迷惑そうに言うけれど、離してあげないもんねー。

充電中なんだもん。


「なぁ柚希?あんまりくっついてるとオレの理性が…」

「うーん?」

「聞いてる?」

「うん、聞いてる」


これくらい大丈夫!

律の理性はめちゃくちゃしっかりしてるんだって知ってるから。

っていうか、欲情してほしくてわざとやってるんだけど?


「一緒にお風呂入る?」

「え…?」

「というのは冗談で、頭洗ってあげる♪突き指で手が使えないでしょ?」


律のことからかうのが楽しい。

最近覚えちゃったんだ~。

いつもイジられてばっかだから、たまには仕返ししなきゃ!

抱きついたままニンマリしてたら、思わず耳を疑ってしまった。

律の“チッ”って舌打ち。

えぇぇ~!?

そんな人だっけ!?
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