heart to heart +love☆
怒った?

不安になって律を見上げたら、やっぱり少し不機嫌そうな顔。


「怒んないでよぉ」

「怒ってねーよ。柚希と洗いっこできなくて惜しいなって思っただけ」


さらっとエロ妄想を口に出すのは、夜モードの律サマ。

洗いっこですって!?

ぬぁんと!!?

あんな明るいところでマジマジ見られたら、本気で倒れそう…!

身の危険を感じる。

固まってると、


「ばか。冗談だよ」


そう言いながら私を剥がして、そそくさとバスルームに消えた。

まだドキドキしてる私。

律に抱かれるのは嫌いじゃないけど、あんまり強いのは身体に障る。

律だってわかってるくせに~!

心のなかで叫んだ。

でも、気になる。

片手でどうやって頭洗うんだろ…


「りつ~、やっぱり洗ってあげようか??」


バスルームの外から様子を伺う。

一瞬間をおいて、響く声が聞こえた。


「じゃあ洗って?」


結局Tシャツに短パンの姿で、唯一の客である律の髪を洗う。


「かゆいところはございませんか?」

「なし。でもガシガシ洗って」

「ガシガシね、了解いたした!」


美容師さんみたく丁寧には洗えないけど、強すぎくらいの愛情こめて。

目にはいるのは、逞しい肩から背中のライン。

…って、私何考えてんの!?
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