Honey Bitter
その驚いた顔を見て、驚きたいのは私の方なんだけど、と心の中で毒づく
「あいつ、まじで説明してないのかよ...」
呆れた様な声を出した彼の焦げ茶色の艶やかな髪がふわりと揺れる
こんな状況にも関わらず、髪に触れたい、そんな衝動に陥る
何考えてんだろ
頭の中の雑念を小さく頭を左右に振って追い出した
「んーと、まず...俺は、藤咲 怜人、よろしくね」
上から降ってきた声に下げていた頭をそっとあげる
困ったような、だけど優しい安心するような笑顔を私にむけた