Honey Bitter
「……さて、と」
本当に綺麗で、思わず涙が出そうになったのをぐっと堪える。
真下の駐車場にいる暴走族(バイク集団)はガヤガヤと確実に近所迷惑であろう声で騒いでいる。
「どうしようかな…」
この高さから飛び降りると、よく刑事ドラマで見るような死体の様に綺麗には死ねない。
きっと身体は、絶対に見れない様なグロテスクな姿になってしまう。
いくら迷惑をかけるような人達でも一生直らないようなトラウマを植え付ける訳にはいかないだろう。
私がここから飛び降りてグロテスクな姿で死んだ後、
知らない誰かに見付けて貰うのは、もう仕方ない事にしても死ぬ瞬間なんて見れたものじゃないはずだ。
私は、死ぬのなら、なるべく人に迷惑をかけないように死にたい。