いけめんハーレム
「じゃねえよ!なにあたしで遊んでんの!?おかげで眠気吹っ飛んだけど!・・・じゃなくて!人で遊ぶな!」
ったくもお!!
口ん中冷たいし!
頭キンキンするし!
あ、間接キス・・・
ま、いっか。
どうせ晴だし。
そんなこんなで騒いでいたらいつの間にか家の前につき、
さっさと礼央は降りた。
あたしは、爽やか系のいけめん運転手さんに挨拶をし、
黒塗り外車を降りた。
まだ、すこし肌寒い4月の夕風。
大きめのセーターの袖を引っ張り手を隠す。
スクールバックを背負い直しもう1回車を振り替ると
スモークがかかった窓が開き圭先輩が顔を出した。
「明日、ほかのメンバーとも顔あわせすっから」
「あ、はい・・・覚悟しときます」
「じゃーな、恋!明日もアイスつっこんでやっから」
「いいですー!!じゃーね!圭先輩と意地悪晴ー」
「・・・先輩いらねぇ・・・」
「じゃぁ・・・圭?」
「またな」
いままでずーっと無表情だった圭が
控えめに笑いながら窓を閉めた。
そして無騒音で去って行った。