純恋〜スミレ〜【完】

「おはよ」


2年5組の教室に入って、自分の席の横にバッグを掛けながら前の席に座るナナに声をかける。


「おっはよ。ん?どした?何かあった?」


「何かあったように見える?」


「目の下、クマできてるじゃん。もしかして、昨日は彼氏と夜通し……――」


「違うよ。昨日、彼氏と別れたの」


「……え?別れた?」


ニヤニヤとした表情を浮かべていたナナの顔が一気に真顔になる。

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