純恋〜スミレ〜【完】

「お姉ちゃん、ごめんね!!待ったでしょ~?」


「別に。欲しいと思ってた雑誌も買えたし」


コンビニを出ると叶恋は両手をパチンと合わせて謝った。


「最近のお姉ちゃん、ホント優しい~!!」


「今までのあたしが怖かったみたいな言い方しないでよね」


「ん~、怖くはないけど、昔はツンツンしてたじゃん?」


「ハァ?超失礼なんだけど」


わざとらしく怒って見せると、叶恋はあたしの腕にギュッとしがみついた。


「お姉ちゃんが、叶恋のお姉ちゃんでホントよかったよ」


「お世辞言っても何も出てこないからね」


「分かってるって~」


電灯の少ない夜道を歩いて家路を急ぐ。


その間、あたしの頭の中は夢のことでいっぱいだった。





< 362 / 487 >

この作品をシェア

pagetop