純恋〜スミレ〜【完】
「お姉ちゃん、ごめんね!!待ったでしょ~?」
「別に。欲しいと思ってた雑誌も買えたし」
コンビニを出ると叶恋は両手をパチンと合わせて謝った。
「最近のお姉ちゃん、ホント優しい~!!」
「今までのあたしが怖かったみたいな言い方しないでよね」
「ん~、怖くはないけど、昔はツンツンしてたじゃん?」
「ハァ?超失礼なんだけど」
わざとらしく怒って見せると、叶恋はあたしの腕にギュッとしがみついた。
「お姉ちゃんが、叶恋のお姉ちゃんでホントよかったよ」
「お世辞言っても何も出てこないからね」
「分かってるって~」
電灯の少ない夜道を歩いて家路を急ぐ。
その間、あたしの頭の中は夢のことでいっぱいだった。