キスチョコ【短編】
なんでだろう



こんな風に意識したことなかったナル。



いきなり妙に【男】に見えてきてしまった。





そんな気持ちを打ち消すようにあたしの思いはその持ち上げた椅子へとぶつけられる。
椅子を心持ちいつもより強めにガツンとテーブルの上に置いてしまった。
リサちゃんはそんなあたしに少し引いたようだった。
そんなリサちゃんを見ると急速にあたしは現実へと引き戻される。
あたしは慌てて、手が滑った、とかどうでもいい言い訳をするとリサちゃんに笑顔を見せた。





「うん。聞いたよ。あん時のナル、カッコヨカッタね。よかったね、リサちゃん」


「あ……やっぱりあたしの聞き違いとかじゃないですよね?やったぁ」





リサちゃんはどこまでも子犬のように無邪気だ。
コノコを泣かせることはあたしもしたくない。
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