キスチョコ【短編】
あたしは汚れたトーション類をまとめて洗濯カゴに出しに裏の倉庫へいった。
これをカゴに放り込めばやっと今日の仕事は終わりだ。
誰もいない通路を歩きながらあたしは無意識にため息を洩らす。

これは仕事の疲れからなのか、
それとも…






裏の倉庫にいくとナルがタバコを咥えながら仕込みしたものを冷凍庫に入れているところだった。





「よ…」


「おつかれ…」


「ホントだよ。明日も俺朝早くてよぅ…」


「そう…だけど少しだけリサちゃんに付き合ってあげなよ。リサちゃんきっとあんたのこと待ってると思うから…」


「グミ……」




ナルの指からタバコがすり抜ける。
あたしはその落ちたタバコを目で追いかけているとナルに抱きしめられた。
そのとき…



初めてドキッとした。



今まで抱きしめられていた、
よく馴染んだはずのナルの腕は
今までのどの抱擁とも違う、
なにか男女特有の…



しっとりとした色気がこもってた。
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