疲れ切った心




「おい、靴履き替えて何処行くんだよ」



「秘密」



さっきからこの繰り返し。




「ここよ」




「俺、戻る」



「ちょっと待ってよ」



来た道を戻ろうとする悠斗の腕を咄嗟に掴まえた。




「お願い。掃除しろとは言わないから。だから手伝って」




悠斗が戻ろうとするのも無理は無い。




私達が来たのは砂埃(すなぼこり)がする体育倉庫だから。
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