疲れ切った心
「ま、いっか。・・・・・デートするんだろ?」
デートって・・・・。
「それだけ?それだけのために探してたの?」
「それだけってことないだろ」
苦笑いを浮かべた。
「だって、三条さんの体調の方が大事でしょ?」
「それもそうだけど、家で寝てれば大丈夫だから。それに、直ぐにおばさん達が帰ってくるから」
「バーカ。どっちが大事なのよ!」
「確かに琴羽は大事だよ。でも、珠理とのデートも大事だろ?」
本当にバカだよ。
「ほら、行くんだろ?デート」
右手を差し出された。
「もう6時だよ?」
「公園デートってのも悪くないだろ?」
さっきのは苦笑いとは別の、優しい笑顔に、つい手を握り返してしまった。