疲れ切った心



卒業式開始を知らせる放送が流れると、皆は体育館へ向かった。



さて、私も行きますか。



体育館に入り、一番後ろの席に腰をかけた。



しばらく待っていると、入場の音楽が流れた。



A組から順番に入ってくる卒業生。



そんな先輩の姿を見て泣く後輩達。



卒業を惜しむように泣きながら歩く卒業生達。



子供の成長を見て泣く親達。



そんな中から卒業式は始った。








卒業証書授与も終わり、卒業生代表の挨拶までやってきた。



「卒業生代表、大西悠斗」



え・・・・・



悠斗が代表なの?



「桜の蕾が姿を見せる様になった今日、俺達は卒業します」



凛々しく舞台に立っている悠斗。



「本来ならば、生徒会長であった者が立てない時は、成績で選ぶのですが無理を言って俺に立たせてもらいました」



悠斗・・・・?



「高校に入って、ただ友達とバカをやって過ごしていました。そんなある日、一人の女の子に出逢いました。その子は、笑ってるのに胡散臭くて気にも止めませんでした。そんな子が初めて表情を見せてくれたことは忘れれません」



文化祭だ・・・・・



あの時、初めて悠斗に甘えた。
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