疲れ切った心
「珠理!?」
出てきたのはお母さんだった。
「本当に珠理なの?」
信じられないのか、口を手で覆った。
「久しぶりだね・・・・・」
悠斗の裾をギュッと掴んだ。
不安に押しつぶされないように。
「元気そうでよかったわ」
お母さんは泣きだしてしまった。
「洋子、どうしたんだ?・・・・・・珠理?」
リビングから顔を出したお父さん。
「久しぶり、お父さん・・・・・」
「お前、今まで何処に居たんだ」
「僕の所に居ました」
「君は、昨日の電話の・・・・?」
「はい。大西悠斗です。はじめまして」
「ありがとう。珠理を連れてきてくれて・・・・・」
「あがりたまえ」
悠斗にスリッパを出すと、2人で中に入った。