疲れ切った心



「皆来てくれたんだ」



「当たり前でしょ。珠理の晴れ姿なんだから」



若干ウル目になっている結夢。



「結夢、まだ泣くには早いって」



山本君が結夢の涙を指で掬い取った。



「珠理、1枚撮らせて」


「うん」


「早く悠斗は隣に行きなさいよ」



怜奈に命令され私の隣に立った悠斗。



1枚撮ると満足そうな顔をした。



「そういえば、ウチのクラスじゃないイケメン君が居たけど誰?」



「どんな顔?」



「悠斗君似の顔」



「それ、弘斗だよ」


「悠斗の弟なんだって」



「マジ!?」



怜奈よりも山本君が驚いた。



「アイツ来てんのか。久しぶりだな」


「海煩い!」



結夢ではなく、怜奈からの一喝を頂いた。



「学年は?」


「今年で高1。聖南に入学したよ」



弘斗も?



准さんの話では瀬奈も聖南に合格し、通学してる様子。



今日は瀬奈も呼んだ。



「なんだ、年下か。じゃあ興味無いや」



あっさりしてるね。
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