好きな人の忘れ方




それから、啓太郎は黒いノート?をじっと見つめたまま、渋い顔をしていた





私は、その気配を感じながら出かける為の準備をしていて














「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「基本的には声に出した声にしか返事しねぇぞ」

「・・・うむ」

「遊んでんじゃねぇ」

「はい。すみません」

「・・・・・」

「な、何でしょう」






突然、こちらを振り返った啓太郎に見つめられて固まる






何年も見てきて、何年も当たり前だったのに




たったそれだけの事が、今はもう当たり前じゃない







当たり前なんて、すぐに消えて無くなる


そんな事、この3年で嫌ってくらい思い知った








「お前、謝ったりすんだな」

「・・・・・」

「いや、珍しいと思って」








嬉しそうに笑った啓太郎の顔を見て







最後に、この笑顔を見たのはいつだったんだろうと、改めて胸が痛んだ



少なくとも、あの最後の時よりもっと前だった









< 18 / 31 >

この作品をシェア

pagetop