好きな人の忘れ方





「・・・・あんたってもう少し賢いって思ってたよ」

「何がだよ・・・?」

「見た」

「見た?」



ここで、初めて啓太郎の顔が変わった




「昨日、啓太郎の会社の前まで行ったの私」

「・・・・」

「そこからメールしたの」

「・・・・・・」

「女の人と一緒だった」

「・・・・・」

「しかも、アレは仕事じゃないね」

「・・・・どこまで?」

「・・・・・」





は?


声に出さずとも私はそんな顔してたと思う




「だから、どこまで見た」



何?コイツ



一番に思ったのは、それ



浮気にしろ、まずい事にしろ、バレたら普通焦ったり謝ったりとか、色んなパターンがある


なのに、コイツの顔は至極真顔

まるで、自分には非がありません。みたいな、むしろ見た私が悪いみたいな






「さあ?」

「・・・・・」

「見られたくないなら、もう少しコソコソすれば?」




むかつくっ

ほんっとむかつくっ!!!!




私にとって、コイツは絶対の存在で完璧に信じてただけに本当に腹が立つ



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