チョコレートな彼
ほとんどの生徒は下校していた。

教室のに入ると誰もいなかった。

薄暗くなってきている教室に、机と椅子の音が響いた。

教室の一番後ろの席の七海の席…

「どうして七海は今まで誰にもチョコあげたことないの?」

「私、チョコが苦手で、記憶の中にほとんど食べたことなくて…嫌いなもの人にあげられないでしょ」

「笑える…可愛いな七海~」

「これ…受け取ってください…」

「オッケーってことでいいんだね」

「うん…」

「俺もあけてみていい?」

司は包装紙を綺麗にはずすと、ふたをあけて

「すげー!いい香りだな~苺か!一個食べちゃおうかな?」

「うんいいよ…」
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