最低な恋人
「そういえば名前聞いてなかったねー。」
「私は一年の藤咲由奈。」
「僕は茅ヶ咲千里。二年だよ。」
今更ながらの自己紹介を済ませる。
ところで、
「部活って認められるの?
申請ってちゃんとするつもり?」
「申請は5人以上部員集めないとできなくてさ。
だからしばらくは非公認の部活として細々とやってくしかないかな。」
まぁ、こんなことだろうなーとは予想していたけど…
それでも私はこの人についていくと決めたんだ。
「ちなみに部名は、咲遊クラブにしようと思うんだ。
たくさん遊んで自由にやって、自分だけの花を咲かせるって意味。
二人の名前に入ってる咲を入れたいっていうのが本当なんだけど。」
キンコーンカンコーン
チャイムの音が聞こえて、
私たちは旧校舎を出た。
また明日もここにくると誓って。