失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
バイト先のライブハウスは
都心にある中堅どころで
席数はスタンディングで300
広くもないが狭くもない
でもここからメジャーに行くバンド
もそれなりに多く
ライブハウスとしたら
それなりの位置付けにある
そんなハコだった
音響学校で知り合った
3コ年上のクラスメートが
学校に入る前から勤めてる店で
一人やめちゃったから来ない?
週3以上で特に金・土が出来たら
と言われて面白そうだから
二つ返事で応募して
その人の押しで入れた
そんな経緯
バイトは初めてだったので
とりあえずウェイターでもなんでも
するつもりで入ったが
皿洗いもメインではあるが
ステージの設営なんかも手伝わせて
もらえたし
いきなりのアクシデントで
ライブ中に切れたギターの弦を
取り替えるはめになったり
それはほんとにたまたまだけど
あわてた
そういう生のステージ裏と
プロのPAの仕事も間近で見られ
学校とここの両輪は
スタッフもクセはあるが
いい人が多くて
いい緊張感で充実してた
どちらかと言うと店の色は
ハードロックやパンク系とか
メタル系が主だったので
僕はステージを見てるだけでも
ギターとか楽曲の参考になるし
さすがに聴くに耐えないような
出演者は(この店では)あまりなく
好き嫌いすら勉強の対象だった