失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】
酒をコップにつぐのは
何かを壊したい衝動に似てる
喉をそれが滑り落ちていくときは
涙が身体の中に帰っていく気さえ
する
自暴自棄が増幅していく
夏の暑さが嘘のように
季節が一日で変わったような
そんな時間の感覚
いまが秋だって事を忘れる
僕には夏なんて無かった今年は
時間すらなかったんじゃないかな
冬がちかづいてくる
兄のいない冬
あまりの寒さに凍える
もうじき半年になる
いない
いない
いない…
泣きながら酔いつぶれて
いつの間にか眠っている
ベッドで寝ることが少なくなって
朝は床の上で目が覚める
熱いシャワー
アクエリアス
もう行かなくちゃ
昨日は吐いたから胃が痛い
アルコールが抜けきってない
だからいい